仕事から帰ってきて、部屋のドアを開けます。
ひどく散らかっているわけではありません。
ただ、朝使ったものがテーブルに残っていて、座ろうとした場所にも何か置いてあります。
どかせば座れますし、片付けられない量でもありません。
それでも、そのままにして座ります。
大ごとではないのに、そのままになっている。
そういう日が続くと、帰ってきたときの気持ちが少しだけ下がります。
ここで一度決めたいのは、自分の部屋がどうなっていれば「ちゃんと暮らせている」と言えるのか、その基準です。
この記事で渡すのは、やり方ではありません。
自分の暮らしをどこまで保っていたいか、その基準をひとつ決めます。
「ちゃんと暮らせている」は、家事の量より「戻れる状態」で考える
ちゃんと暮らせているかどうかを、やった家事の数だけで決めようとすると、できたことと、まだやっていないことが並びます。
洗濯はしたけれど掃除はしていない、料理はしなかったけれど洗い物は残していない。
LifeBaseでは、それを全部そろえることを合格にはしません。
だから、測るものを変えます。
見るのは、その日にこなした作業の量ではなく、部屋が今どうなっているかです。
そしてもうひとつ、その状態へ普段から戻ってこられているかどうかです。
一度きれいにできたかどうかではありません。
散らかった日があっても、そこへ戻ってこられる。
その戻り先を持っていることを、LifeBaseでは「ちゃんと暮らせている」と考えます。
帰ってきたときに落ち着けるかを、自分の基準にする
基準を決めるときに迷うのは、どのくらいなら合格なのか、という水準です。
基準を外に置くと、比べる相手によって合格ラインも変わります。
人の家や、きれいに整えられた部屋の写真を、そのまま自分の基準にする必要はありません。
判定するのは、帰ってきてドアを開けた自分です。
その部屋で普段過ごし、その状態を見るのは自分だからです。
確かめるときは、部屋に入ったときに気持ちが下がらないかどうかを見ます。
下がらなければ、その日の部屋は自分の合格ラインの中にあります。
下がったなら、どこが引っかかったのかを見ます。
その引っかかりが、自分の基準を決める手がかりになります。
保ちたい状態は、いくつかの見方に分けられる
自分が気になるのは、床に出ている物かもしれません。
シンクに置いたままの食器が先に目につくこともあります。
ここでは、自分の状態を見るための切り口をいくつかに分けます。
たとえば、こんな見方です。
- 使いたい場所が、そのまま使えるか —— 机で作業しようとして、まず物をどかすところから始めていないか
- 毎日使うものに、戻す場所があるか —— 鍵や上着が、その日ごとに違うところへ置かれていないか
- 気になっている汚れや布まわりを、そのままにしていないか —— 前から気づいているのに、手をつけていないものがないか
- 自分が何を持っているか、だいたい分かっているか —— 同じものを買い足したり、あるはずのものを探し回ったりしていないか
どれも、誰かに聞かなくても、部屋を見れば自分で確かめられます。
一方で、「物が出ていない」「帰ってくると落ち着く」は、こうした見方とは少し性質が違います。
これらは直接ととのえるものではなく、上のどれかが整ったときに、結果として現れるものです。
先に目標として置かなくて構いません。
全部ではなく、自分が崩したくないものを選ぶ
ここに挙げた見方を、全部こなす必要はありません。
自分に関係のないものは、外して構いません。
机で作業しない人に、机の上の基準は要りません。
決まった数をこなす必要もありません。
選ぶのは、崩れたときに自分がいちばん嫌だと感じるものです。
床に物が出ているのは平気でも、洗面所が汚れているとその日ずっと気になる。
逆に、洗面所は気にならないけれど、テーブルの上が物で埋まっていると落ち着かない。
どちらが正しいということはありません。
何が崩れると気になるかは、自分の部屋を見て決めます。
そこで見つけた状態を、自分の基準として残します。
まずはひとつで構いません。
ひとつ決まっていれば、ほかが崩れた日でも、戻る先は残ります。
決めたラインは、毎日戻ってこられる高さにする
決めるときに気をつけたいのは、そのラインの高さです。
ここで置きたいのは、特別な日にだけ届く高さではありません。
疲れて帰ってきた日でも、自分が戻れるところに置きます。
これは、低いところで妥協するという意味ではありません。
毎日戻ってこられる高さなら、その状態を自分の普段の基準にできます。
そして、そのラインを無理なく保てるようになったら、少しだけ上げてみます。
上げるというのは、新しくやることを増やすことではありません。
いま戻れている状態を、もう少しだけ良いところへ置き直すことです。
LifeBaseが目指しているのは、この上げ方です。
基準が決まると、そこから先は自分で選べる
基準がひとつ決まったら、全部を同じ重さで見る必要はありません。
自分の基準から外れているところだけを見ます。
そのうえで具体的にどうするかは、必要になったときに選べば十分です。
急に人が来ることになって、限られた時間で整える範囲を決めたいときは「急な来客の片付け|一人暮らしで今やる場所・やらない場所を決める」があります。
そもそも物が戻らずに積み上がっていくなら、置き場所のほうを見直す考え方を「一人暮らしの部屋が散らかる理由|収納を増やす前に見直すべきポイント」にまとめています。
どちらも、自分の基準を具体的な行動へ移したくなったときに読む記事です。
やり方を全部そろえるのではなく、基準を先に持ち、必要になった具体策だけを選びます。
まず、帰ってきたときの自分の部屋を見て、これだけは保てていたいと思える状態を、ひとつ決めてみてください。

